2010年06月28日

自動車事故の場合でも業務中や通勤中なら必ず労災申請を

交通事故における初期判断を誤ったために、2年後の現在、深刻なトラブルになっている事件があります。

労災(しかも、通勤災害ではなく業務災害)であるにもかかわらず、会社側から「交通事故の場合は自動車保険の適用になるので労災ではない」と言われて、それを信用したためにずっと保険会社と交渉してきた。

手術を終え療養しているとき保険会社が、そろそろ健康保険を使いましょう、と言ってくるので理由がわからないまま健康保険の傷病手当金に切り替えた。治療費は3割の自己負担に。

健康保険によく切り替えられたのが不思議である。交通事故だから健康保険第三者行為災害届が必要になる。その書類につぶさに記載すれば、その内容が就業時間中の事故であり健康保険の適用される傷病ではなく労災保険が適用されるべきことがわかるだろうに。

そのへんの経緯はまだよくわからないのだが、相談者はどうも保険会社の言いなりになった可能性が高い。それにしても健康保険協会の対応にも不審感が残る。

業務中の交通事故であれば、まずは労災保険の各種届(第三者行為災害届)を行うのが筋である。休業補償や治療費は当面は自賠責や任意保険でまかなわれるのですが、いかんせん上限があるのです。自賠責は120万、自動車保険はたとえ無制限の保険に加入してであろうと多かれ少なかれ自動車保険の限度というものがある。一方、労災保険には障害補償年金(死ぬまでもらえる)や障害一時金や特別支給金がある。

簡単に言うと、たとえば交通事故で1カ月入院治療をした場合には、自賠責で休業損害が補償され(上限があるが原則100%)るし、治療費も自賠責から出る。そのうえで、労災事故なのだから労災保険にも請求できるのである。休業補償給付である平均賃金の6割はもらえないが2割はもらえるのである。

このことを一般の方はよくご存じない。社会保険労務士か労基署の労災担当官ぐらいしか知らないかも。

政府による労災のパンフレットを読んでもそこまで親切に書いてあるものを見たことがありません。私の主観ですが、政府は交通事故の場合に労災申請を行うことを嫌っているのではないだろうか。

ちゃんとパンフに書いてください。自動車保険で休損が支払われるときでも、労災特別支給金が支給されることがありますので必ず労災の手続きを行ってください、と。長妻厚生労働大臣、読んでいますか?

だからこういうトラブルになるのである。会社側が「自動車保険が優先されるので、労災保険は使えません」などと、まことしやかに従業員を諭すのである。

交通事故が発生したときにはなにをどうしたらよいのかわからず、冷静な判断ができません。会社、警察、保険会社、弁護士、労基署などがそれぞれの立場や専門分野から様々な意見を言います。そこで労働災害については社会保険労務士がもっとも最適な専門家ですので、信頼できる社会保険労務士に相談することを忘れてはいけません。

自動車事故の過失割合等の交渉は不得手でも、労災の手続きや給付について熟知しているのは今の日本では社会保険労務士だけです。

ちなみに、賃金の2割である休業特別支給金が未受給のまま2年継続すると(賃金30万円とした場合)、144万円となります。

以下、藤澤労務行政事務所のサイトから引用しました。
特別支給金の申請を忘れずに!

休業損害補償については、自賠責保険の場合は、1日当たりの支給額として19,000円という上限が有りますが、過去3ヶ月間の平均賃金の全額がもらえます。

これに対して、労災保険の場合は過去3ヶ月間の平均賃金の8割相当額、健康保険の場合は最大で1年6ヶ月間という支給期間付きで標準報酬日額の6割相当額(今は標準報酬日額の3分の2に改正)です。

自賠責保険から休業損害補償を受けた場合、その日数分については、労災保険から休業(補償)給付を受けることが出来ませんが、全ての休業損害補償を受けることが出来ない訳ではありません。

労災保険の休業損害補償は、休業(補償)給付と呼ばれる保険給付部分(6割相当額)と休業特別支給金(2割相当額)の2つの給付で構成されています。
自賠責保険から休業損害補償を受けた時に支給制限されるのは6割相当額の保険給付部分だけです。

ですので、自賠責保険から交通事故前3ヶ月間の平均賃金の全額を休業損害補償として受けた場合でも、労働基準監督署に対して休業特別支給金の申請手続きを行なえば、更に平均賃金の2割相当額を別途受け取ることが出来ますので、申請手続きを忘れないようにして下さい。

(尚、自賠責保険の休業損害補償は、会社が休業証明を行なえば、その休業日に年次有給休暇が充当されたか否かに関係無く支給されますが、休業特別支給金は、休業(補償)給付と同様に、休業日に年次有給休暇が充当された場合は、原則として支給されません。)



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sinojimu at 22:02│Comments(2)TrackBack(1)労災保険関連 

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1. 会社設立の詳細サイト  [ 会社設立の詳細サイト ]   2010年06月29日 00:13
会社設立についての詳細情報です

この記事へのコメント

1. Posted by 経験者   2010年06月29日 16:05
多くは語りませんが、誤った認識を持たれているようです。
過失割合によって判断が異なります。
また、治療費は労災、それ以外は、自動者保険というように使い分けた方がいい場合があります。
2. Posted by しのづか   2010年06月29日 17:49
私のこのエントリのタイトルが不十分で、誤解されやすかったですね。
正しくは、
「自動車事故の場合でも通勤中や業務中なら労災の休業特別給付申請をお忘れなく、です。」

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