特定社労士しのづか、「労働問題の視点」

特定社会保険労務士篠塚祐二。福岡の労働あっせんや労働審判事件で、主に労働者のサポートをしています。日々の労働相談業務を通じて所感をつづります。
★★社会保険労務士業務はどうしても企業サイドで活動することが多いです。私は特定社会保険労務士の業務としては、広く一般個人からの相談を積極的に受けることで、あまりに理不尽な仕打ちを受けながらも泣き寝入りしている労働者側の支援をしています。★★

出勤簿への虚偽記載を強要

一定時間分の時間外労働手当を賃金に含ませる手法が一般化しているように見受けられます。

雇用契約もしくは賃金規程にそれが何時間分にあたるのか、また、みなし時間を超えて時間外労働を行った場合には別途割増賃金を支払うことを明記し、実行することで違法性を免れる。

残業手当で頭を痛めている私の顧問先にも何社か指導し、導入してもらっている。

この制度の導入はもちろん、正しい労働時間の計測が前提だ。従業員に圧力をかけて、正しい労働時間の申告を妨げるような企業には絶対に私はお勧めしていない。

タイムカード方式だったら正確な労働時間把握ができるだろうと考えると大間違いだ。定時に打刻させ、それから残業させている企業もある。

よく聞くのは自主申告による出勤簿記入方式だ。この方式も上司の圧力により正しい時刻の記入がされないケースが多い。

たまに聞くのは、本人でなく上司(又は事務職員)が出勤簿に記入する方法。客観的な方法のようではあるが、上司が悪意をもっている場合には簡単に悪用できる。定期的に(少なくとも月に一度は)本人の確認印を押していない限り、信ぴょう性に乏しい。

どんな方式であろうと、正しい労働時間を把握する意識がなく単に労基署から指導されたから、助成金の申請に必要だからなどの理由で作成された出勤簿の信ぴょう性は希薄であろう。

労務管理や人事施策は、正しい労働時間の把握が前提とならなければならないと私は考えています。使用者側の圧力によりしぶしぶ嘘の時刻を書かされている従業員に対して企業が、いかなる生産性向上ややる気アップの施策を講じても、徒労に終わるのだ。

労働時間は従業員の賃金計算はもちろん、健康管理や業務負荷測定の面で最も重要です。そこをないがしろにして、従業員満足経営です、とホームページでうそを言っている企業がいかに多いか。

先日、労働審判で決着した事件も、そのような企業が相手でした。1カ月のみなし労働時間の枠に入るように、不当に早めの退社時刻を出勤簿の書かされていました。

企業としては、労基署など外部に対しては完全犯罪のつもりだったのでしょうが、内部の人間から提訴されることは想定外だったのかもしれません。

うその時間を書け、と明示的に指示していない。おまけに、本人自筆の手書きの出勤簿だ。あれは虚偽時間の記入を強要されたのだ、というこちら側の主張には苦しいものがありました。

ところが、労働審判が進むにつれ、退職した元同僚の証言だけでなく在職している先輩や同僚の証言も得られたのだ。

在籍している従業員が、会社に不利な証言をすることは通常は考えられません。しかし、この事件ではそれが有力な陳述書となってこちら側の有利な展開となったのです。

今まで表に出なかった従業員たちの不満が、一人の勇気ある労働審判によって噴出した。

この企業は労働審判の審判廷において、「これを機に、就業規則の見直しを進め正しい労働時間の管理をする」と宣言した。

虚偽記載の強要により表面だけはきれいに取り繕ったとしても、人の心までは会社の思いのままにはならなかったのだ。

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労災の相談業務を監督署が行っていることの無理

論談目安箱「労働基準監督署労災課の横暴」は、まさに私の気持ちと同じです。

「労災課の連中にとっては労災申請をする労働者は乞食でしかないのだろう。」は、体験した者にしかわからない怨念が含まれた良い表現です。

また、「労災扱いの治療についてきちんと完治まで治療させないという悪い体質」にも、共感するところが大いにあります。

頸椎捻挫は、3カ月しか労災の治療費ではみない、つまりムチ打ちは、3カ月しか労災では面倒見ないということを既成事実のように発言されたことがある。杓子定規この上ないと言えよう。

果たして血も涙もないのが労災課なのか? たまたまそういう人間が配属されているのか。

中には労災認定を勝ち取って多額の給付金をだまし取り、遊んで暮らそうとする極悪人もいるであろう。そういう国民とも対峙しなければならない苦労は想像できます。事業主から集めた貴重な労働保険特別会計予算を、そのような極悪人の生活費に使われたらたまったもんではないので、それは十分チェックしてもらいたい。

うがった見方かも知れませんが、そういう部署だからこそ、情にほだされず、冷徹非情に前例を踏襲しようとする職員を配置しているのかもしれません。

私は労災課から次のように言われました。「この疾病で労災に認定された前例がありません。申請書類を出されても難しいでしょう。裁判でもされたらどうですか」。

前例主義で本質を見ようとしない公務員体質そのままである。

窓口業務は国民と最初に出あう部署であり、非常に重要です。最初の相談窓口でどのように誘導されたかが、その後の行動に大きな影響を与えます。業務中の交通事故なのに「労災は使えませんよ」と言う労基署職員がいまだにいるそうです。自賠責との関係をまったく理解していない。

都道府県労働局や労基署に、労働相談員として社会保険労務士が臨時職員として配置されていますが、労災課にも社労士を配置していただきたいと思います。健康保険と労災保険、交通事故との関係は社労士の得意分野であり、今は得意でない社労士も経験を積み重ねるにつれて得意になるものです。

しかも、社労士は国民と同じ目線で監督署の窓口で相談に乗ることができると思われます。少なくとも、厚労省の職員の中でもとりわけ冷徹非情であることが認められて労災課に配属されていると思われる今の職員よりも、国民の支持を得ると思われます。

労災の認定や不認定については奥にいるベテラン職員が担当するにしても、窓口業務は社労士に委託してみたらいいのではないでしょうか。厚生労働大臣に提案してみよう。

窓口はあくまで書類を受理する場所ではないか。窓口職員の意見を聞きに来たわけではないのに「労災認定は難しいですよ」などと、余計なことを言う。

労災の相談に応じるだけなら、中立的立場の社労士がふさわしい。労災課の職員は給付する側の人間であり、給付を抑えるような発言となるのは構造的にやむを得ないのである。

通常は一般の方が開業社労士に労災の相談をするにはそれなりの報酬が必要なので、特別会計の予算で社労士と契約し、窓口で無料の労災相談を担当させるのが良いのではないかと考えています。

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ツイッターの社会的意義のある利用価値

今日、相談者の前で、レッツノートに文章をタイプしていましたところ、天井から小さなムカデが降ってきました。

そのムカデ、ちょうどPCのキーボード部分に当たって、少しの時間まごまごしていましたが、私の視線を感じたのか意を決したようにキーとキーの間にするすると潜り込みました。

気味が悪くなり、そのままタイプする気には到底なれず、すぐに他のPCと取り替えてお客様にはさほど迷惑をかけずに済んだのすですが、レッツノートのキーボードの隙間に入り込んだムカデがその後脱出できたのか、それとも中で死んだのか定かではありません。

死んだムカデがPCの部品に悪影響を及ぼしてデータ消失などの憂き目をみなければいいのですが。
バックアップをこまめに取っておこうと思います。みなさん、こんな経験したことありませんよね。

それはさておき、ツイッターなるものが大流行しているようだ。昨日、NHKの「クローズアップ現代」で紹介していました。

困った時、みんなに知ってもらいたいとき、140文字以内でネット上でつぶやけば、それに呼応した人々がネズミ講のように増殖していき、あっという間に情報が行き渡るのだそうです。

私はブログで好き放題のことを書いているので、あらためてツイッターでつぶやこうとは思いませんでしたが、情報発信の手軽さと伝播の早さは革新的ですね。

新し物好きの私としては、参加したいのはやまやまですが、中途半端にツイッターをやっても長続きしないと思うと、もう少しその利用価値を考えてみたいと思っています。

(1)労働基準法を無視して従業員をこき使っている企業の情報を「つぶやき」合って、被害者を最小に抑える。
(2)いじめで悩んでいる人たちが、悩みを書きこんで、大勢のみなさんからアドバイスをもらう。
(3)失業していないのに失業保険を不正にもらっている人の情報を、つぶやいて、ハロワに調査してもらう。
(4)社内では堂々と指摘できないその会社の法律違反をつぶやいて、監査機関等に正しい方向に導いてもらう。

いろいろと使えそうです。
誰にも知られなければ不正してもかまわないと考えている企業や個人を、ツイッターで徹底的に叩こうではありませんか。
それとも、匿名性が確保されていない状況では身の危険を感じる?

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厚労省「在職老齢年金について」のパンフに異議

このほど、厚労省がサイトに「在職老齢年金について」というpdfファイルをアップしています。

63歳の父と25歳の娘との会話に社会保険労務士が入ってくるという設定になっています。

年金の専門家である社労士が、年金の相談に応じている設定には何の違和感もないのですが、どうも役所が作成したパンフレットなのかもしれないが、「役所の代弁者」にしかなっていないことが、私としては非常に不満なのであります。

在職老齢年金は、年金受給年齢に達していても厚生年金に加入していれば、年金が減額もしくは支給されないという制度です。

では、60歳を過ぎていて、自営業をして収入がある場合は、年金は全額もらえるのです。あるいは厚生年金ではなく共済年金(公務員や学校の先生)に加入している場合も満額もらえるのです。

こんな不合理が昭和61年の年金大改正時からまかりとおってきたのです。そして、平成12年には70歳までこの在職老齢年金制度が延長されました。

ある人は、厚生年金に加入しているだけで年金が支給されず、ある人は、退職後に自営業をしているというだけで年金は全額支給される。こんな不公平な制度がよくも今まで続いたことが不思議でなりません。

さらに私が問題としているのは、厚生年金の適用事業所であるにもかかわらず厚生年金加入から逃れている法人事業所が、相当数存在することです。不法に加入を逃れている法人で働く60歳以上の人は、満額年金を受給しているのです。

不法に社会保険加入から逃れていることの効果として、従業員が在職老齢年金の縛りから逃れられている。ダブルの不法行為だともいえます。

私はかつて、社会保険事務所にこの件で問い合わせをしたことがあります。すると返ってきた回答は、「社会保険は法人事業所は強制加入です。強制加入であるにもかかわらず加入していない事業所があるのですか?」でした。

加入していない法人事業所が悪い、という主張だと思います。加入していない事業所を把握し、加入させるのが君たちだろう。

社会保険庁は未加入事業所の存在を知りながら事実上放置してきた(H16.7.27日経)。理由は納付率を上げるためである(H16.6.3日経)。国民年金の未納者を放置してきた理由と同じである。

加入していな法人事業所の数を知ったなら、このような在職老齢年金制度の導入が無理なことは誰でもわかるはずです。

自営業者を含めて、全ての国民の所得を正しく把握する基盤を整備した後でない限り(所得や)報酬に比例して年金を減らす制度など無理だったのです。

また、在職老齢年金制度を調べていくうちに、その在職年金額の計算方法において、厚生年金加入者に比べて、公務員など共済制度の加入者が優遇されている様々な事実を知り、私はますます怒りがこみ上げてくるのです。

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建設国保、偽装加入で90億円返還命令か。

建設国保の偽装加入問題で、国は補助金90億円の返還命令を行うそうです。

本来なら建設業に携わる5人未満の個人事業所を対象としたこの国保。建設業以外の人や、法人事業を不正に対象にして、その分、国から補助金を多くもらっていた。

さらには、たとえば元消防署員や元教員を加入させるために、かたちだけ建設業の団体に加入させる必要から、別に設置した建設業団体への月会費を本人から徴収していた。

なんと、毎月の国保保険料と月会費が同時に同一の口座から引き落とされていたのだそうだ。国保保険料は主に医療費に使われるのだろうが、月会費はぼろもうけということになる。

国保幹部は同時に建設業団体の幹部であったようで、月会費はなぜか税金がかからなかったようで、幹部たちのゴルフや豪華な会食に浪費されていた。

建設国保は、国民健康保険組合の一種である。健康保険に加入できない方は、本来なら市町村の国民健康保険に加入するのだが、同一の事業や業務に従事する人たちで団体を作り、都道府県知事に組合として認可されれば、独自に保険料設定や給付が行える。

国は、この建設国保に税金で補助金を支出し、組合の運営を支援していたようだ。

保険料の安さをうたい、新聞やラジオなどの広告を使い、加入者を集めていた。

職業偽装を持ちかけてまで無理に加入者を集めていただけでなく、本来健康保険に加入するべき法人の事業所にまで、不正な手法をもちかけて加入させていた。

株式会社に従業員が15人いる場合、5人ずつ3グループに分けさせ、5人のうちの1名をかたちだけ個人事業主にして、さも4人を雇用しているように偽装していたそうだ。

健康保険や厚生年金に加入することを忌避する会社がよく使う手法である。5人未満の個人事業所に社会保険加入義務がないことを悪用し、保険料負担が個人と法人との折半となる社会保険加入を逃れ、従業員に国保と国民年金に不法に加入させる手口だ。

建設国保の職員たちは、不正を知り、幹部に改善を申し入れたが、まったく聞き入れられなかったという。勇気をもって公益通報をしてほしかった。

建設国保と自民党政権との癒着があったという報道も。自民党長期腐敗政権は、不正を黙認し、代わりに建設国保から政治資金を融通してもらっていたようだ(TBSテレビ 今日の夕方の報道番組)。

私たち社会保険労務士は、社会保険や社会保障に関する実務手続きや相談業務を通じて、法や制度の不備やいろいろな団体の不正のにおいを感じることがある。

そんなとき躊躇することなく厚生労働大臣に報告し、または改善を求めていかなければならないと思います。そうした活動が、税金の無駄をなくすことにつながり補助金の不正受給をただすことになるのだと思います。

それにしても、こうした公的な団体が不正手続きであることを知りながら、長期間、補助金や月会費をだましとっていたとは、補助金返還だけでなく幹部たちは刑事罰を受けるべきであろう。

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最後の給料はもらいに来い? 怖くて取りに行けません

社会福祉法人は、管轄する役所がときどき監査に入ることはすでに私のブログに書いたとおりです。「社会福祉法人;現場を知らない経営者たち

県の職員などが適正に運営しているかどうかのチェックのために事業所を訪問している。

事業所としては、監査を乗り切るための隠ぺい工作に余念がないようだ。工作のひとつとして出勤簿の二重帳簿があげられる。

有給休暇を消化させているようにみせかけるだけの代物であり、事実は有給休暇を取得させた日に出勤を命じている。

また、外部研修に参加させた日について、その日の賃金はまともに支給するものの受講料を本人から徴収したりしている事案もあった。なんと、給与から天引きすると監査に引っ掛かるので必ず現金で徴収するのだそうだ。

退職間際に年次有給休暇を全部取得しようとするような職員がいたら、事業所ぐるみでいじめにかかっている。最後の賃金を手渡しにするから、という理由で本人を事業所に無理に来させ、集団でいんねんをつけるやりかただ。

賃金は手渡しが基本だからという理由で、金融機関口座への振り込みを拒否している。それまでずっと給与は振り込んできたのに、最後の給与だけは手渡しにする企業があることはよく耳にする話である。

所定の退職手続きを済ませていないような場合、仮払い精算をしていない、とか貸与物品を返却していないといった場合に最後の賃金を受け取りにきたときに返却を求める方法として有効な方法である。しかし、それを悪用し、最後の賃金をもらいにきたときに、悪態をつきたいがために手渡しにしているケースがある。

あるいは、ある企業は、さんざん強迫めいた発言で怖がらせておいて、「給料をほしかったら取りに来い」と言い、怖がって取りに来ないことで賃金を支払わなくてすませようとしている例も知っている。

本人でなくても親や親戚が、使者として賃金をもらいに行くことができるのであるが、いやがらせとしか考えられないケースをよく耳にする。きっと、親や親せきが受け取りに来たとしても、本人の悪態をつくのだろうね。こんな経営者は。

年次有給休暇を退職前に全部消化した従業員に対し、まるで犯罪者みたいに罵倒し、いやがらせをしている。証拠さえ取れれば犯罪行為として警察等に告訴できるのだが。。。

それにしても社会福祉法人の監査逃れのための二重帳簿は許せない。そういうケースは公益通報が最も有効な手段となるであろう。

表面だけをきれいにし、裏ではやりたい放題の無法法人となっている。こうした偽善者の存在は、私は心情的にがまんできない。

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労働紛争を簡裁の民事調停で。司法をもっと身近に

簡易裁判所の民事調停を、もっと労働トラブルの解決手段に利用してもらおうと、来春から、東京簡裁で試行的に労働問題専門の民事調停が始まるそうです。

労働法に詳しい弁護士を調停委員に選任し、簡裁の裁判官とが共同で解決に当たるようにするそうです。

個別的労働紛争の解決手段としてはすでに都道府県労働局のあっせんや労働委員会のあっせん、社労士会のあっせんがありますし、裁判所を利用するものとしてはH18年から始まり取扱事件が倍々で増えている労働審判制度があります。

ここへ来て簡裁の民事調停が必要な理由としては、多くの要素が考えられます。
私なりに考えたことが以下のとおりです。

(1)労働審判制度が好調に利用されてきているものの、弁護士を代理人に立てることを(裁判所が本人に)勧めているなど、まだまだ敷居が高い。弁護士に着手金や成功報酬を支払ったら何もしない方がましだ、となることも。

(2)原則として地裁の本部でしか労働審判が行われないため、地方裁判所から遠いところからの利用がすすまない。その点で簡裁は主要都市に支部があり、アクセスがしやすい。

(3)簡易裁判所は本人申立が多く、弁護士代理のほうが少ない。そのため簡裁で労働事件を取り扱う意義が大きい。退職後の最後の賃金が支払われないなど少額の賃金トラブルなど、気安く司法を活用できるようにしたほうがよいと思われる。

(4)少額訴訟は60万円までという壁があり、簡裁通常訴訟は140万円までという壁があるが、民事調停には金額の壁がない。地位確認のトラブルは簡裁訴訟では取り扱えないが民事調停なら可能である。

(5)適切に調停が機能すれば、よほど深刻な事態となっていない限り、労働紛争の和解は困難ではないことが多い。つまり、裁判で判決を取ることよりも話し合いで解決させることを優先することが多い点。

地方の労働者にとって労働審判制度ができたといっても県庁所在地まで平日に約3回も足を運ばなければならないのは、利用したくても容易ではなかった。ところが、簡裁の支部を利用することができれば、従来までなら諦めていた少額の賃金不払いなど、泣き寝入りが減少するであろう。

なにしろ、労働事件の取扱件数が先進諸外国の約10分の1とか100分の1しかないのである。労働基準法や育児介護休業法など法の整備は年々行われるものの、法を順守しているかのチェックが圧倒的に弱いのがわが国の実態だ。

守らなくてもさほどおとがめもないし訴えられることもないような法律など制定しないでいただきたい。順守させてこその法律ではないでしょうか。

特定社会保険労務士としての希望的見解としましては、簡裁の民事調停において本人申立の支援をさせていただきたい、と考えています。簡裁代理権がほしいのは山々ですが、まずは本人申立の支援で多くの特定社労士の方々に実績を積んでいただきたいところです。

民事調停の申立ですから、あっせんの申請書とあまり変わらないものと考えていいと思います。昨年私は個人的に民事調停を利用しましたが、やはり、主張することを簡潔に文章にすることは最低限必要なことです。本人申立の支援者として特定社労士は最適だと思います。

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近藤一さんの戦争体験記事(朝日16日朝刊)

16日の朝日新聞朝刊に、衝撃的な記事が。
「沖縄で味わった惨めさだけで戦争が伝わるのか 中国での加害語る使命」の見出しに誘われて一気に読みました。(同紙22面)

戦争体験の講演を続ける近藤一さん(90歳)が、老体に鞭打って後世に語り継ごうとしている姿が描かれている。

1992年までは沖縄戦の話をするだけだったが、その後中国での体験を語らねば片手落ちになる、との思いが持ち上がった。被害者だったことだけを話しても本当に戦争を理解してもらえないのではないか、と。

20歳で従軍し、中国へ。そこでは刺殺訓練として立木に縛られた中国兵を銃剣で殺す訓練を行ったという。順番が自分にまわり走って銃剣で刺したところ、豆腐を刺すように人間の体は柔らかだったという。

30歳くらいの中国人女性を輪姦した。古年兵と一緒に。
通常なら終わったら殺すところなのだが、その女性を行軍に連れて行った。女性は裸で赤ん坊を抱えていた。古年兵がその子を崖下に放り投げた。女性は後を追って身を投げたという。

日本は神の国であり、日本兵は皇軍であると教え込まれ中国人は劣等な民族だとされていた。大きな誤りであることは言うまでもない。日本はこの中国侵略戦争で南京大虐殺というホロコーストを犯してしまう。

管民主党が韓国に対して謝罪したことを、自民党は強く批判しているようだ。中国に対する大罪を犯したことを隠ぺいし続けた自民党に批判する資格はない。

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2週間の夏季休暇を取れたらいいですね

ロイターと調査会社イプソスが各国の労働者のうち年次有給休暇を全部使い切っている割合を調査したところ、わが国は33%と、最下位だったそうだ。

諸外国の割合は以下のとおり。
フランス 89% アルゼンチン 80% ハンガリー 78% 英国 77% スペイン 77% サウジアラビア 76% ドイツ 75% ベルギー 74% トルコ 74% インドネシア 70% メキシコ 67% ロシア 67% イタリア 66% ポーランド 66% 中国 65% スウェーデン 63% ブラジル 59% インド 59% カナダ 58% 米国 57% 韓国 53% オーストラリア 47% 南アフリカ 47% (日本 33%)

平たく言うと、日本の労働者のうち3分の1しか年休を全部使い切らないが、諸外国では約3分の2が使い切っている、と言えるかもしれない。

それでは、とネットで諸外国の年次有給休暇付与日数を調べてみたところ、EU諸国は概して年24日〜30日(うち、12日は連続消化が原則)、米国や英国は年次有給休暇を規定する法律はないものの企業の大多数が有給休暇を年24日程度は付与しているようだ。

病気欠勤の年次有給休暇への振り替えを禁止している国もある。長期連続休暇の取得を想定しているのだろう。

日本は今、夏休み。ほとんどの企業が盆休みを付与する。しかし、公休日を含めて連続5日が一般的だろう(ちなみに弊法人は土日を含めて3日間のみ)。

2週間の連続休暇を有給で取得できれば。。。ヨーロッパを旅行したいですね。パリやロンドンを見物し、ドイツの田舎も散策してみたい。

誰でも長期休暇がとれるような文化的風土がわが国に根付くのは、まだ先でしょうか。私が生きている間は無理かもしれませんね。

私は労働者ではないので、理屈では、休もうと思えばいつでも休めるのですが、スタッフが仕事をしているのに自分だけのんびり旅行できませんから(涙)。

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まずは労働基準法を守る(らせる)ことに力を注ごう

レビン小林久子氏の著書「調停への誘い」P18に次のような一節があります。
「現代社会では、差別による平等は、一人一票の平等が徹底した後でなければ実行されるべきではない」。

相手の基本的諸権利を認め、自己決定権を尊重する姿勢があって初めて、差別による平等(つまり、競争させてその成果によって差をつけることで公平性を確保すること)が可能となり、刺激とスパイスの効いた施策となりえる、と私は理解しています。

「一人一票の平等」は、労働問題にも応用できそうな良いフレーズです。

労働基準法に定められた労働者の基本的権利でさえ、主張できない企業において、成果主義や業績主義の下で社内で競争させ、やる気を出させようとしても、それは無理だということです。

従業員がその正当な権利(自己決定権)を主張することを嫌がる企業は、(その意味する範囲内だけですが)やる気が削がれ、経営者に対して不信感を抱いています。

社会保険労務士のサイトを見てみますと、よく「権利ばかりを主張するダメ従業員」とか「問題社員」のフレーズが頻繁に出てきます。

権利を主張してはいけないのですか? 権利ばかりを主張してもいいのではないでしょうか。権利を主張すればそれだけで問題社員なんでしょうか?

言いたいのは、「権利ばかりを主張して仕事をしない従業員」という意味なのでしょうが、仕事はちゃんとしているのに、もっと仕事をしろと言われる。タイムカードの退社時刻欄に打刻した後でも仕事を押しつけられることはよくある話である。

上司が部下に対して「仕事をしない」と言う根拠は、良い提案が出ない、業績を上げられないなどを言いたいのでしょうけど、基本的な権利の主張さえできないのに、これ以上やる気がでるわけないでしょう?

たとえば、残業代や年次有給休暇。そうした権利の主張さえできないのに、「自分の権利の主張ばかりするダメ社員」とのレッテルを貼っている、という風に勘ぐってしまいます。

外部コンサルタントは人事評価制度やそういう優れモノを企業に紹介する前に、まずは労働基準法を守らせることに力を注ぐほうが、よほど日本の企業を元気にさせることになると思うのです。

欧米諸外国は厳しい労働時間規制の中で、たとえばドイツは一日10時間労働という法的制約の中で生産性を上げることを工夫し、グローバル競争と対峙しています。日本は、青天井のサービス残業効果や低賃金労働者の存在でやっと経済を維持している現状では、国際社会の中で置いていかれるだけでしょう。

このままでは日本の企業で従業員が付加価値の高い仕事を今後ずっとできるとは思えません。

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